今回は新種牡馬のキズナ産駒について分析したいと思います。
現役時は、GⅠはダービーの1勝でしたが、3歳秋にはフランスで凱旋門賞の前哨戦フォア賞を勝つなど、ヨーロッパの馬場でも好走したキズナ 。
新種牡馬リーディングをひた走り、重賞も2勝と現役時代同様種牡馬でも同期のエピファネイアを引き離しています。
今回は2勝以上の産駒について分析します。

①馬体重の傾向は牡牝で異なる
デビュー時牡馬は全馬450キロ以上、1頭以外は470キロ以上と馬格がある馬でした。キズナはヨーロッパの馬場にも対応した馬だったので、ディープ後継でもパワー型で牡馬は馬格が必要です。
対照的に、牝馬は1頭以外はデビュー時全馬470キロ以下でした。キズナ 産駒の牝馬はキレ味があり、決め手で勝負する馬が多く、馬格はそれほど必要ではありませんでした。
②配合は教科書どおりだが特徴もある
配合の特徴の1つ目は、フレンチデピュティ、In Reality、Halo(≒Red God)、Danzigなど、父ディープインパクト産駒と好相性の血統はキズナ産駒でも好相性でした。
ディープ後継のディープブリランテやリアルインパクトでもこの傾向があるので、この傾向は産駒に受け継がれているのかもしれません。
2つ目の特徴は、父ディープインパクトとは異なるもので、Mr.Prospector持ちの成績がいいことです。父ディープインパクトはMr.Prospector持ちの成績が良くなく、特にMr.Prospectorをクロスしている馬の成績は良くありません。最近では、グランアレグリアなど走る馬も出ていますが、この馬はMr.Prospector系の中でもFappianoとのクロスなので、基本的にはディープインパクト産駒のMr.Prospector持ちは良くありません。
しかし、キズナ産駒は、自身も3歳春から本格化したように、2歳戦からバリバリというタイプではなかったので、仕上がり早のMr.Prospector持ちが良いようです。
また、キズナもニエル賞を勝ちヨーロッパの馬場に対応したように、母系が重厚なのでMr.Prospectorで素軽さを補充することがいいと考えられます。
3つ目は、Nureyev、Special、Forli、Nijinsky持ちがいいという点です。これも父ディープインパクト にはない点です。Nureyevはディープインパクト 産駒は牝馬では好相性でしたが、牡馬ではそのような傾向はありませんでしたが、キズナは牡牝どちらも好相性でした。
また、Nijinskyも末脚の持続力を補強してくれ、プラスに働くと考えられます。
③ノーザンファーム以外も好成績
意外にも2勝馬は全頭ノーザンファーム生産馬以外でした。勝ち上がり馬はにはノーザンファーム生産馬がいますし、2017年産はノーザンファーム産の種付数が少ないので、これはたまたまだと思われます。
ノーザンファーム生産馬以外も好成績であり、その中には生産牧場は中小の牧場も多く含まれているなど、種牡馬としてのポテンシャルの高さが見てとれます。
おわり
キズナ は、2020年産から種付料が600万円と大幅にアップし、繁殖牝馬の質・量とも上がることが想定されます。
ただ、2018年産、2019年産は2017年産とノーザンファーム生産馬もその他の生産馬もそこまで変化がありませんので、今年のブレイクに飛びつくのは早計ですが、ディープインパクト 亡き今、間違いなく今後のPOGの勢力図を変えていく1頭になると思われます。