第14回【血統・配合分析】ドゥラメンテ産駒について

今回は新種牡馬ドゥラメンテ産駒について、これまでの産駒の傾向から、産駒の特徴、成功配合を分析します。

 

距離】適性は・長距離だが、マイル以下にも対応

これまで産駒は1400m〜1800mで勝利しており、デビュー馬を見ても、比較的長目の距離でデビューしている馬が多い傾向にあります。

②【距離】マイル以下にも対応するが適性はクラシックディスタンス

産駒は、気性や母馬にスピード型の血統の馬を多く持ってきており、1400mにも対応しています。

ただし、体型を見ると、ドゥラメンテ産駒は胴長・脚長の馬が多いなど、1600mにも対応しますが、1800m〜2400mのクラシックディスタンスに適性がある馬が多いとみられます。

③【気性】評判ほど悪くない

ドゥラメンテは皐月賞の4コーナーからの走りでも分かる様に、激しい気性の持ち主でした。気性の激しさは、祖母エアグルーヴに由来するのもので、叔父のルーラーシップ 、姉のアドマイヤセプターも出遅れたりかかったりと気性難を抱えている馬でした。

ドゥラメンテ産駒は、育成時は気性面で難しい面がある旨のコメントが多くありましたが、実際に産駒がデビューすると、そこまで気性が悪いとのコメントはなく、レースでも気性の悪さをそこまで感じることもありませんでした。

それでも、気性が幼い馬が多く、直線フラつく面が見られる馬もいるなど、気性面は気を付けて確認する必要がありそうです。

④【成長度】ゆっくり本格化は3歳以降

祖母エアグルーヴの産駒や母アドマイヤセプターの産駒で、3歳春までに重賞を勝ったのはドゥラメンテだけで、ドゥラメンテも若さを残しながらも能力の高さで2冠を達成するなど、完成度の高いタイプの馬ではありませんでした。

POG本でも、夏以降デビューが多く聞かれ、成長はゆっくりで、同じ新種牡馬のモーリスとは「成長が3ヶ月違う」などと言われていました。

それでも、産駒は、8月のローカル開催になって以降勝ち星を伸ばしており、トモが緩いと言われる馬が多いので、直線平坦なコースも合っている印象です。逆に、6月・7月にデビュー勝ちできる有力馬は成長込みで現状でもかなりやれるのではとみています。

⑤【馬場】パンパン馬場の平坦◎、道悪は2歳戦割引も苦手ではない

馬場は良馬場がよく、高速馬場が向いています。トモが緩く非力な面がある馬が多いので、中山などの急坂コースよりも、小倉、新潟などの平坦コースを得意としています。

また、現状、ドゥラメンテ産駒は道悪でパフォーマンスを落としている馬が多いです。これはトモの緩さからくるもので、成長とともに解消していくでしょう。

ただ、2歳でも、480キロ以上の馬格がある馬は道悪もこなしています。あまり大きすぎると良くないですが、適度に馬格があればそこまで苦にしません。

血統をみると、キングカメハメハ 、トニービン、ノーザンテーストと、道悪が得意な血統を多くもっており、成長とともにむしろ得意になっていくとみています。

⑥【牡馬・牝馬】現状は牡馬優勢のコルトサイアー

現状の勝ち上がり馬を見ると、勝馬32頭中牡馬21頭、牝馬9頭で、牝馬はまだ2勝馬は出ていません。

血統構成が似ているルーラーシップが牝馬の方が走っているフィリーサイアーであるのとは対象的ですが、牡馬の方が倍以上勝ち上がっている現状を見ても、この傾向は今後もそこまで変化しない可能性があります。

ここらへんは、父のキングカメハメハがコルトサイアーでしたので、ドゥラメンテ産駒は父のキングカメハメハに似ているのかもしれません。この後の血統・配合でも、ドゥラメンテ産駒はかなりの部分で父キングカメハメハの好配合を踏襲しています。

⑦【血統・配合】トニービンの緩さの補強が不可欠

勝ち上がったドゥラメンテ産駒を見ると、Danehill(Danzig)+Special持ちが非常に優秀です。これは、ドゥラメンテは産駒は、祖母エアグルーヴの持つトニービン由来の緩さから後駆が弱く、Danehill(Danzig)は強い後駆パワーを伝えるため有効と考えられます。

いわゆるナスペリオン(Nasrullah+Hyperion)であるSpecialもパワーを補強する血統ですが、中でもSadler’s Wells持ちの相性が非常に良いです。Sadler’s Wellsは、ダイワメジャー産駒など、ノーザンテースト持ちの種牡馬と相性がいいので、ドゥラメンテも相性がいいと考えられます。

また、Mill ReefやRivermanなど、Never Bend系とも好相性です。これは父キングカメハメハも好相性の血統で、父の好配合をそのまま引き継いでいます。

逆に、父キングカメハメハ同様、Mr.Prospector(ミスプロ)のクロスは相性がよくありません。これは、ドゥラメンテだけでなく、キングカメハメハ系種牡馬全般にあてはまります。ミスプロの血は濃くない方がいいでしょう。

【終わりに】

今回は、ドゥラメンテ産駒について分析しました。

まだ大物が出てきていませんが、血統的には3歳以降のこれから走ってくる成長力のある血統なので、来年以降も期待しています。

今回が今年最後のブログ更新になります。

来年は来季のPOG注目馬についてもレビューしたいと思います。

最後まで読んでくださりありがとうございました。